おっさん本「独学術」
News Picksが「さよなら、おっさん。」という広告を日本経済新聞に掲載して話題になっていた。
「おっさん」達が出張っているNewa Picksがこういう広告を打つという壮大なギャグである。
この中で、「おっさん」とは「古い価値観やシステムに拘泥し、新しい変化を受け入れない。自分の利害のことばかり考え、未来のことを真剣に考えない。フェアネスへの意識が弱く、弱い立場にある人に対し威張る。」といった人間と述べている。
まさにそんな作者の本であった。
細かい部分が多々気になる本であった。
白取春彦の独学術で再三「自分が興味をもって得た知識は一発で記憶され、脳に深く刻まれる」と書かれているが、その辺は疑問。体験記憶なら分かるが、興味をもって「調べた」レベルのことが「一発で」記憶され、脳に「深く」刻まれるのだろうか。
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
「オタクは嗜好物に限定した情報収集にふけっているだけだからだ。彼らは知識によって世界を広く理解しようとしていない。」お、おう…
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
「常習的に飲酒する人間が独学どころか、まともなことをやれるはずがない。これはヨーロッパでは昔から常識とされている。」出典はどこからの情報なのかが知りたい。ヨーロッパと言っておけばいい感がある。
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
「借りた本で得た知識はその本を返却した時に消える。ウソのような本当の話だ。」わーお。なにをもってこれを正しいと考えたのだろう。
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
「大事典と称される辞書」っていう日本語は使い方としてあっているんだろうか。「大辞典」のほうが正しい気がするんだが…。だれか教えて下さい。
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
白取春彦の独学術を読み終えた。自意識が肥大化した昭和のおっさんの俺ルール本といった感じ。書かれたのが2006年ということもあるのか、現在では「ん?」と思うようなところもあった。しかし、第4章の「外国語の独学法」はなるほどと思うことが多かった。この章は読んでよかったと思う。
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
帯の「独学でここまでできる」はある意味で正しかった(作者の自慢ひけらかし的な意味で)。
— 3年目のえぬ (@ngmnmgn) 2018年11月18日
ツイートはしなかったが「暴力団や非行少年は本を読まず、また読むことができないために、感情を抑制できずに問題を起こしている」や「仏教経典をいくら読んだところで世界は少しも理解できない。しかし、聖書を読んでいれば、仏教経典に何が書かれているかさえ理解できる」といった記述もみられる。
時代錯誤と偏見の塊のような人なんだなと強く感じた。
また、入門書や解説書を批判しておきながら自身は「超訳 ニーチェの言葉」「仏教超入門」といった本を書いているところや、「難解な本を読む」として、「食卓の上に置いて、隣で麻婆豆腐やカレーを食べ」ることを述べているところ(こうすると本の威厳が減り、あきらめがでてくるらしい)はもはやギャグとしかいいようがない。
もちろんすべてがすべてダメなわけではない。
外国語の独学法について述べている部分ではなるほどと思うところが多々あった。
「コア・イメージを把握する」「まずは全体を俯瞰する」といったところはおもしろく、とてもためになった。
しかし、それ以上に気になる点が目につく本であった。
この辺のスルーして読める人ならおすすめかも。