お題スロット「生きたい場所」 ~もしくは、この世界の「救い」について~
「今一番行きたい場所は?」と聞かれたら、ここしかない。間違いなくライブハウスである。
仕事を始めてからライブを見に行く機会が圧倒的に減った。昔は週に1本はライブを見に行っていた。ここで言っておくが、自分はいわゆる「インディーズバンド」が好きである。もちろん有名なバンドもある程度は聞くし、今聞いているインディーズバンドにも売れてほしいと思う。しかし、自分の心に響く曲を歌っているのはどうもインディーズバンドに多い。それはなぜか。自分が「焦燥感」や「救い」といったテーマの曲が好きなところにある。
売れたバンドのすべてが悪いとは言わない。RADやらWANIMAやらも自分は好きだ。でもそれらはどこか嗜好品的な感覚である。それらがあると嬉しいし楽しいけど、それらがなくても多分生きるのには困らない。
自分が唯一、一生聞き続けるだろうと思っているバンドがいる。それでも世界が続くなら。彼らの音楽は「救い」で溢れている。
これまで自分が経験した苦労や悩みは、世界規模でみればきっと大したことないんだろうと思う。これまで何とか生きてきているし、今も呑気にブログを書いている。そしてこれからも、おそらくそれなりにそこそこに生きていくんだろう。でも人の苦労や悩みというのは相対的なものにはなり得なくて、どこまでいっても絶対的なものである。そんな中で「救い」を与えてくれるのが「それでも世界が続くなら」であった。
初めてこの曲を聞いた時の衝撃は凄まじかった。「がんばれ」とは言わない。「まけるな」とは言わない。しかし、確かにそこには「救い」があったのだ。
「それせか」は自分にとって日常食となっている。チョコやクッキーといった嗜好品はなくても生きていける。でも米や小麦がなくなったら僕らは本当の意味で生きていくことはできないと思う。自分にとって「それでも世界が続くなら」というバンドはそういうポジションをとっている。
そんな彼らも昨年の9月で活動を休止した。音楽の世界において活動休止は≒解散となっている。現在はボーカルの篠君が活動休止期間公演を行っている。それでも自分は期待をしてしまう。いつの日か彼らが再び楽曲を披露する時を。それでも世界は続いているのだから。